大嘗祭の建物(大嘗宮)の費用内訳や建設会社は?一般公開場所や見学日程も調査

こんにちは!タンゴです。

皇位継承儀礼の中でも、重要とされる大嘗祭が11月に行われます。

即位の礼が国事行為であるのに対し、大嘗祭は、宗教色のある皇室行事であることから、費用負担について論議される一幕もありました。

この記事では、

  • 大嘗宮(大嘗祭の建物)についての概要
  • 大嘗祭や大嘗宮(大嘗祭の建物)にかかる費用と内訳・建設会社
  • 大嘗宮(大嘗祭の建物)の一般公開日程と場所・見学方法

について、まとめました。

日本という国やその歴史、ルーツについて関心のある人の参考になれば嬉しいです。


大嘗宮(大嘗祭の建物)についての概要

大嘗宮は、大嘗祭の中心となる儀式の大嘗宮の儀で、天皇が神事を行なうために新設される古式建築の宮殿です。

古来には、5日間ですべての殿舎を造営し、祭の3日前に竣工され、大嘗祭のたびごとに造営され、祭りの後には撤去されていました。

大嘗宮は、元来、一夜の特別なお祭りのために造り、儀式が終わったらすぐ撤去する簡素な建物でした。

しかし、戦後の大嘗宮は旧憲法下で天皇が神格化した時のものに近くなり、大規模になりました。

大嘗祭の祭場となる悠紀殿は、黒木造掘立柱(皮つきの丸太をつかった柱)、切妻造妻入りで建てられ、青草茅葺きの屋根、8本の勝男木(かつおぎ)と千木(ちぎ)、むしろが張られた天井を有するものです。

千木は、神社本殿の屋根で、両妻の破風板が屋根の上に突き出て交差した装飾材を指しています。

勝男木とは、神社の棟の上に横に並べた木で、鰹節に似ていることから、このように呼ばれています。

さて、今回の大嘗祭で使用される大嘗宮は、皇居・東御苑の旧江戸城本丸跡にある約90メートル四方(6,510平方メートル)の敷地に建設中です。

用材調達や技術面の変化をうけて、現在では数カ月間かけて造営します。

地鎮祭は、7月26日に執り行われ、現在建設中(11月8日現在ほぼ完成)です。

悠紀殿と主基殿、儀式前の準備に使う廻立殿(かいりゅうでん)の主要三殿の屋根材は、伝統的なかやぶきから板ぶきに変更され、大嘗宮全体の規模は前回の8割程度に縮小されました。

大嘗宮は、大小約40棟の建屋から構成されますが、うち、大嘗祭の祭場となる悠紀殿、主基殿をはじめとする約30棟の殿舎は木造建築となります。

いずれも平屋で、最高で高さ約9m、総延床面積約2,600平方メートルとなり、主要三殿(悠紀殿、主基殿、廻立殿)は、伝統に沿った黒木造りです。

工事期間中も東御苑は入園可能で、誰でも作業の様子を見学をすることができます。

大嘗祭や大嘗宮(大嘗祭の建物)にかかる費用と内訳・建設会社

大嘗宮の建設工事は、一般競争入札で清水建設が予定価格の6割に当たる9億5,700万円(税込み)で落札しました。

清水建設は、明治から平成の大嘗宮建設や、2013年に行われた60年に1度の平成の大遷宮は記憶に新しいかと思いますが、出雲大社の平成の大遷宮にも携わっています。

今回の大嘗宮建設には、神社仏閣の経験者を集めた全社横断のプロジェクトチームを結成し、北陸、関東、東北地方から腕利きの宮大工約120名を集め、建設に当たっています。

主要な資材となる木材は、主に長野県産の唐松皮付丸太、静岡県産の杉皮付丸太、北海道産のヤチダモ皮付丸太を使用、その他、奈良県、京都府等からも木材を調達しています。

清水建設の落札価格は、9億5,700万円(予定価格の6割)ですので、大嘗宮の建設予定価格は、約15億9,500円となります。

2018年12月時点では、大嘗祭の費用総額は、27億1,000万円(前回より4億7,000万円上回る)の見通しと発表され、政府の予算案に宮内庁の予算として盛り込まれました。

  • 大嘗宮設営費用:19億円
  • 大饗の儀費用:2億5,000万円

その他に、5億6,000万円の費用がかかっています。

秋篠宮さまが、2018年の誕生日の会見で、大嘗祭の費用については、内廷費(天皇および皇族の生活費にあたる予算)から支出されるべきで、「身の丈に合った儀式で行うのが本来の姿」という考えを示されて、話題になりましたね。

  • 内廷費(2019年度予算案):3億2,000万円(総額)

平成の時よりも、少しづつ縮小をすることで、大嘗宮の建設費用は、結果として10億円近く削られていますが、大嘗祭の費用は、内廷費でまかなうには全然足りません。

2019年5月に、宮内庁予算が240億円と国会決議されました。

内訳は、次のようになります。

●宮内庁費:123億円

●皇室費用:117億円

  • 内廷費:3億2,400万円(両陛下や長女の敬宮愛子さま、上皇ご夫妻の私費)
  • 皇族費:117億円(秋篠宮ご夫妻や他の皇族方の手元金)
  • 宮廷費:111億円(外国賓客の接遇や儀式など皇室の公的活動に充てる公金)

どの費用に当てられたとしても、税金が使われているわけですが、儀式のためだけの仮施設に9億円以上かかるというのは、伝統と国民の生活を秤にかけた時に、腑に落ちないです。

国民の暮らしも昔よりは豊かで平和になっているとはいえ、特にこの数年間は災害が多いので、被災者の方の立場を考えると、その費用って本当に必要??とか、思ってしまいます。

大嘗祭の終了後に、大嘗宮が一般公開されることに決まりました。

私たちが支払った税金の使途を確認するのにも、良い機会ですので、都合のつく方はぜひ足を運んでみましょう!

大嘗宮(大嘗祭の建物)の一般公開の日程と場所・見学方法

では、さっそく大嘗宮の無料一般公開についてです。

  • 日程:11月21日(木)~12月8日(日)
  • 入場時間:午前9時〜午後3時(退出は午後4時まで)
  • 場所:大嘗宮(皇居・東御苑本丸地区)

出典:宮内庁 大嘗宮見学ルート(pdf)

見学ルートは、坂下門→大嘗宮を参観→大手門/平川門/北桔橋門のいずれかから退出します。

同時期に、皇居東御苑も公開されます。

さらに、二の丸庭園、三の丸尚蔵館等も参観できるので、そちらもあわせて立ち寄りたいですね。

おわりに

この記事では、大嘗祭の儀式が行われる大嘗宮について、儀式用の古式建築物として、9億5,700万円の費用で清水建設が建設したことがわかりました。

大嘗宮は、大嘗祭終了後の、11月21日から一般公開されるので、見学ルートを参考にしてください。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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