大嘗宮の儀(大嘗祭)の日程や時間・場所は?参列者や米・粟・麻など供え物も調査!

こんにちは!タンゴです。

春から秋にかけて、皇位継承の儀式が行われています。

11月は、国民祭典や祝賀御列の儀、そして、大嘗祭が行われます。

即位の礼が、国事行為であるのに対し、大嘗祭は、宗教色のある皇室行事であることから、「どんな秘技が行われるのか?」などの噂が絶ちません。

この記事では、

  • 大嘗宮の儀(大嘗祭)の日時や場所と参列者
  • 大嘗宮の儀(大嘗祭)の内容と由来
  • 大嘗宮の儀(大嘗祭)のお供え物

について、まとめました。

日本という国やその歴史、ルーツについて関心のある人の参考になれば嬉しいです。

なお、大嘗祭の儀式の内容や由来などについては、宮内庁の(2019.10.2付)資料をもとに情報をまとめています。


大嘗宮の儀(大嘗祭)とは?日時・場所と参列者

大嘗祭は、新天皇が皇祖や神々に感謝し、新穀(新米)を神々に備え、国家安寧と五穀豊穣を祈る重要な儀式であるとともに、皇位継承に伴う一世に一度の重要な儀式とされています。

大嘗宮の儀は、大嘗祭の主となる儀式で、つぎの二つの儀式で構成されます。

大嘗宮の儀(悠紀殿供饌の儀)

  • 日時:11月14日 午後6時半〜9時半
  • 場所:皇居・東御苑

悠紀殿供饌の儀は、ゆきでんきょうせんのぎと読みます。

大嘗宮の儀(主基殿供饌の儀)

  • 日時:11月15日 午前0時半〜3時半
  • 場所:皇居・東御苑

主基殿供饌の儀は、すきでんきょうせんのぎと読みます。

宮内庁は、前回の大嘗宮の儀では、約950人を招待しましたが、夜通し行われる大嘗宮の儀の出席者が、520人にとどまったということを承けて、今回は招待者を減らしました。

さらに次のような事情もあるようです。

祭祀に対する国民の理解度が低く、前回の大嘗祭では参列者の多くが途中で帰ってしまった。

引用:nippon.com

大嘗宮の儀の参列者は、昨年時点では700人とされていましたが、最終的に合計670人となり、平成より230人少なくなっています。

前回、平成の参列者は、次の通りですので、今回もこれに準じて決められていると考えられます。

宮内庁によると、外国代表の参列者は予定されていません。

  • 内閣総理大臣を始めとする三権の長夫妻
  • 国務大臣夫妻
  • 認証官
  • 事務次官
  • 国会役員夫妻
  • 国会議員
  • 地方公共団体の代表
  • 斎田関係者と関係者夫妻

大嘗宮の儀の参列者は、そのあとに行われる大饗の儀にも招待されています。

大嘗宮の儀は、皇居・東御苑の約90メートル四方の敷地に新設の大嘗宮と呼ばれる建物の中に設けられたそれぞれの木造の祭殿で行われます。

出典:神社本庁「御代替わり」特設サイトより – 大嘗宮平面図

大嘗宮の儀(大嘗祭)の由来と儀式の内容

大嘗宮の儀(大嘗祭)の由来

大嘗祭についてもう少し詳しく知るために、宮内庁の大嘗祭についての資料を元に簡単にまとめてみました。

1年に一度、収穫の時期に行われる新嘗祭は、古事記や日本書紀(記紀)の中に、皇祖天照大神が新嘗の祭を行なったとされる記述があり、その起源は、奈良時代以前まで遡ります。

当時は、毎年行われる新嘗祭と一代に一度行われる大嘗祭の区別はされていませんでしたが、第40代天武天皇の時(御在位673~686年)に、初めて区別されました。

以降、大嘗祭は一世に一度行われる極めて重要な皇位継承儀式として、歴代天皇が、即位後に必ず行うべき皇室の伝統とされたということです。

大嘗宮の儀(大嘗祭)の儀式の内容

悠紀殿供饌の儀と主基殿供饌の儀の二つの儀式で構成される大嘗宮の儀の具体的な内容についてまとめます。

悠紀殿供饌の儀は悠紀殿で、主基殿供饌の儀は主基殿でそれぞれ行われますが、儀式は同じ流れで行われます。

少し難しい言葉もありますが、宮内庁の資料から引用します。

なお、時間については、前回、平成の悠紀殿供饌の儀の情報をもとにしました。

供え物については、次の項で書いていますので、そちらもあわせてご覧ください。

  • 17:08 参列者が参進して幄舎(あくしゃ)に着床する。
  • 18:15 稻舂歌(いなつきうた)を歌い、稻舂を行い(新穀を精白する)、神饌(しんせん)を調理する。
  • 18:20 庭積の机代物(にわづみのつくえしろもの)を置く。
  • 18:23 掌典長が祝詞を奏する。
  • 18:28 天皇陛下が本殿にお進みになり、御座にお着きになる。
  • 8:34 皇后陛下が帳殿(ちょうでん)にお進みになり、御座にお着きになる。
  • 国栖(くず)の古風(いにしえぶり:古代、大和の国栖人が奏した歌謡)を奏する。
  • 風俗歌(ふぞくうた)を奏する。
  • 18:55 皇后陛下が御拝礼になる。
  • 皇族殿下が拝礼される。
  • 参列者が拝礼する。
  • 皇后陛下が御退出になる。
  • 19:04 神饌を行立(ぎょうりゅう)する。(神饌などを行列を立てて本殿に持ち運ぶ。)
  • 19:06 天皇陛下が神饌を御親供(ごしんく)になる。
    (天皇陛下が、新穀をもって調製した御食(みけ)・御酒(みき)などを皇祖及び天神地祇にお供えになる。)
  • 20:39 天皇陛下が御拝礼の上、御告文(おつげぶみ)をお奏しになる。
    (天皇陛下が、皇祖及び天神地祇に対し,安寧と五穀豊穣などを感謝されるとともに、国家・国民のために安寧と五穀豊穣などを祈念する御告文を奏される。)
  • 20:45 御直会(おんなおらい)
    (天皇陛下が、新穀をもって調製した御食・御酒をお召し上がりになる。)
  • 20:56 神饌を撤下する。
  • 21:23 天皇陛下が御退出になる。
  • 参列者が退出する。

大嘗宮の儀(大嘗祭)の儀式のお供え物

大嘗宮の儀(大嘗祭)のお供え物①:斎田の米と粟

大嘗祭で、神前に供えられる、もっとも重要なお供え物は、斎田で収穫された新米です。

大嘗祭の儀式でお供えをする新米は、斎田点定の儀によって、選ばれた東日本、西日本のそれぞれ一箇所の田んぼでつくられ、斎田抜穂の儀で収穫されました。

▼斎田点定の儀の詳細についてはこちらもご参照ください

斎田点定(さいでんてんてい)の儀とは?亀の甲羅を使った亀卜(きぼく)とはどんな占い?

今回選ばれた斎田の耕作者「大田主(おおたぬし)」は、

  • 東日本悠紀地方:栃木県高根沢町の農業・石塚毅男さん
  • 西日本主基地方:京都府南丹市の氷所生産組合代表・中川久夫さん

それぞれの斎田から収穫された、栃木産「とちぎの星」と京都産「キヌヒカリ」がそれぞれ精米180kg、玄米7.5kgが、儀式での供え物として届けられました。

加えて、斎田で収穫された新米を使って醸造した白酒(しろき)と黒酒(くろき)が供えられます。

月桂冠の公式サイトによると、白酒は白濁した酒で、黒酒は久佐木という植物を蒸し焼きして炭化させ、粉末にした灰を白酒に加えた黒灰色の酒ということです。

天皇陛下が召し上がられるのは、斎田で収穫された米と粟、それから醸造された白酒と黒酒のみです。

また、斎田だけでなく、各地からも精米と精粟を納めることになっていて、精米は47都道府県から1.5kgずつ、精粟は25都府県から750gずつ納められます。

大嘗宮の儀(大嘗祭)のお供え物②:庭積の机代物

悠紀殿、主基殿の、それぞれ南側(上記の大嘗宮平面図を参照してください)に位置する庭積帳殿(にわづみのちょうでん)の机上には、全国の各都道府県の特産の農水産物がお供え物として並びます。

これは、庭積の机代物(にわづみのつくえしろもの)と呼ばれ、米、粟以外の全国の各都道府県の特産の農水産物5品目が、11月12日までに届けられる予定になっています。

参考までに、平成御代替わりの時の庭積机代物の一覧です。

参考:神社本庁

庭積机代物は、今までは、儀式の後に埋納していましたが、食品ロスの観点から、儀式後に有効活用する方針ということです。

大嘗宮の儀(大嘗祭)のお供え物③:麁服と繪服

大嘗祭では、新米とともに麁服(あらたえ)と繪服(にぎたえ)が、より代として神座に供えられます。

麁服は、阿波(徳島)の麻織物で、氏族「阿波忌部」が織った大麻の織物を指しています。

悠紀殿、主基殿、それぞれに2反ずつが供えられるので、必要なのは4反です。

阿波忌部の子孫と伝わる三木家の28代目当主三木信夫さんが、「御殿人」という特別な役職を与えられ、麁服の原料となる大麻の栽培し、糸から織り上げ皇居まで運ぶという一連の作業を行います。

繪服は、三河(愛知)の絹織物です。

平成の時は、金田ちゑのさんが、作成に携わったそうですが、今回は、丸山紋子さんが糸を引き、一般財団法人「古橋会」が、8反分の繪服が宮内庁に収められました。

繒服、麁服は、神御衣(かむみそ)と呼ばれる神様のお召し物で、織物には神がひょう依すると考えられ、重要とされています。

古来それぞれ三河国(愛知県)と阿波国(徳島県)より奉献されており、平成の大嘗祭においても、それぞれ古来の記録、伝承をもとに生産、献納されました。

麁服については、次の徳島新聞の連載記事がなかなか興味深いです。

参考にしてみてください!

おわりに

この記事では、大嘗祭のメインの儀式である大嘗宮の儀について、悠紀殿供饌の儀は11月14日、主基殿供饌の儀11月15日に行われることがわかりました。

参列者は、国内から670人です。

大嘗祭は一世に一度行われる極めて重要な皇位継承儀式で、その年に斎田で収穫した米と粟、その米で作ったお酒以外に全国各地からの食料品が供え物として届きます。

また、神のお召し物として、繒服、麁服も供えられます。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です