令和の漢字での正しい字体と書き方やフォント(書体)の使い方は?表記のコツも解説!

こんにちは!タンゴです。

新元号が令和(れいわ)に決まり一夜明けました。

令和の「」って、中は「マ」じゃだめなの?みたいに疑問に思いませんでしたか?

この記事では令和の「令」の文字について、

  • 「令」正しい字体と書き方と使い分けのコツ
  • 「令」字体が2種類の理由

についてまとめました。


「令」正しい字体と書き方

令和の「令」が年号に使われるのは、今回が初めてです。

そして、「和」は、昭和で使われていたので、30代以上の方には、馴染みがあるかと思います。

多くの人が「令」の文字について、最後5画目の真ん中が「(棒)」のように書くのか「マ」のように書くのか、どっちが正しいのか、疑問を持っています。

お問い合わせの多く入った文化庁で、この件について次のように回答しています。

結論としては、文化庁がどっちでも構わないといっているので、どっちを書いてもOKです!

しかし、どちらを使ってもOKでも、2つの形が存在しているので、やっぱり迷うとか、なぜ二つあるのかが気になる人もいるようです。

また、発表の時の字体は「|」のように、まっすぐになっていたので、なんとなく、そちらの方が正しいような印象を持つ人が多いというのも気になる理由みたいですね。

「令」字体が2種類の理由

これは、どうやら漢字の成り立ちに関わる問題みたいです。

このように文字の形(字形、書体、書風)に違いがある場合、時間を遡って考えると答えが見つかりやすいと思います。

文字について少し突っ込んだ話をする場合、字体、字形、書体、書風という切り口があるようです。

参考までに、次のようになります。

  • 字体
    文字の骨組みのことで、実際には目に見えない抽象的な概念。
  • 字形
    文字が目に見える形に実現された(書かれた)もの。文字の形
  • 書体
    文字の表現様式のこと。
    漢字には、用筆・運筆、点画構造などの表現様式が異なる篆書・隷書・草書・行書・楷書の五つの書体がある。
    また、活字にもそのデザインの違いによって明朝体、ゴシック体、教科書体などの書体がある。
  • 書風
    書く人、用具、時・場所などの違いで独自の趣や個性をもっている文字に対して用いる。

引用:光村図書

これをみると、混乱した情報が飛び交っているのは、

  1. 最後5画目の真ん中が「|(棒)」のように書くのか「マ」のように書くのか、この書き方の違いは、字体の違いなのか、字形の違いなのかがわからない!
  2. さらに、字体と字形が違ってもOKなのか、字形が違うだけだからOKなのかわからない!

の二つに集約されそうです。

字体というのは、抽象概念ということなので、定義を理解する必要があったり、見る人によって、字体と字形の線引きも、若干違ってくるかと思いますので、はっきりきっちり決めようとするのは、なかなか難解ですね。

あんまり深掘りすると、話がややこしくなるから、どっちでもOKにしよう!

というのが、使用に際する結論かと思います。

現代は、パソコンが一般化して、入力すれば文字が自動的に出てきますから、字体について考える人が、少なくなったと感じます。

しかし、パソコン普及前は、鉛筆やペンなどで文字を書くことが一般的でしたし、今でも両方使う人の方が多いですよね?

筆記方法の変化は、筆記具の変化であり、それに伴って文字のデザインも変化しています。

少し前の時代は、日常でも、筆を使って文字を書いていましたが、現代では、書道を好きで続けているとか、特別な理由が無いと、筆で文字を書く機会はあまり無いかもしれません。

せっかくの機会なので、もう少し文字について考えてみます。

現在、「令」の文字を表記する場合、次のようなパターンが考えられます。

  1. 入力(パソコン、スマホなど)
  2. 硬筆(ペンや鉛筆など)
  3. 毛筆(お習字、書道)

新元号「令和」が正式発表された時の字体を見てみましょう。

「令」の真ん中の線がまっすぐになっています。

次は、それぞれの表記パターンから字体の違いを見ていきます。

パソコン、スマホなどで入力するフォントの字体

パソコンやスマホなどデジタル機器に入力する場合、フォントと呼ばれる文字のセットに合わせた字形で文字が出てきます。

英語のフォント(font)という言葉は、書体と訳されますが、もともと、西洋の文字(アルファベット)に対して、使われている言葉なので、そのまま日本語に適用すると、正確さを欠いていしまいますので、

【NG】フォント→書体

【OK】書体→フォント

として扱っていきます。

大手フォントメーカーのモリサワでは、多くの文字セットがあり、フォントごとの字体の違いを簡単に比較することができます。

「令」という文字は、書体(フォント)によって、まっすぐのものと、点のものと2種類あります。

これは、フォントのテイストに合わせた字体を選択して、デザインをしているからなのです。

少し年齢が上の人は覚えていると思いますが、ガラケーとか古いモニタだと、そんなに綺麗に文字が表示されず、多少、字形が変になったりしてましたよね?

フォントは、限られた技術の範囲内の表現を使って作成されているのです。

入力する際は、選んだ書体のフォントを使って書くので、どちらになるかは、選んだフォント次第です。

逆に言えば、使いたい字体に合わせて、フォントを選ぶこともできます。

ペンや鉛筆など硬筆で書く字体

硬筆と毛筆は、ともに学校で書写の授業で習います。

少し古い資料ですが、漢字文化資料館の漢字Q&Aのコーナーで次のように掲載されています。

Q:「令」の一番最後に書く部分は、「ヽ」が正しいのですか、それとも「丨」が正しいのですか?

A:この問題が気になる方は多いのでしょう。小社漢和辞典編集部にいただく漢字に関するご質問の頻度数ランキングで、常にベスト・スリーに入っている質問です。
023901お答えとしては、例によってどっちでもいい、ということになってしまうのですが、この2種類の「令」の違いは、通常、書き癖によるものだと説明されています。Q0078、Q0101、Q0157などで取り上げた『常用漢字表』の「(付)字体についての解説」では、図のように示されて、両者は「筆写では、いろいろな書き方があるもの」の一例だとされています。
数十年前になりますが、ある人が出生届を出しにいったら、この字が正しくないとして受理されなかったそうです。当時の「当用漢字字体表」にはこの字が「丨」タイプで印刷されていたのに対して、出生届に書かれた手書き文字は「ヽ」だったからです。
この話はそのスジでは有名な事例なので、さすがに現在では、「令」の字体を理由にして出生届が突き返されることはないと思います。しかし、そんな話を思い出すにつけても、「令」の字体は、だれもが気になる問題なのだなあ、と実感されます。

引用:漢字文化資料館

「筆写では、いろいろな書き方があるもの」との見解ですので、一応、例として2種類の字体が掲載されていますが、人の数だけ字体(書風)があるというように、ゆるく捉えられています。

参考までに、ペン習字の練習帳では、練習帳によって違うようですが、2種類の字体があるようです。

毛筆で書く場合の字体

私が子供の頃は、学校でお習字の授業がありました。

毛筆で書く場合の書体は、行書、楷書、草書と、三つの書体を習いました。

行書では、主にひらがなを練習、楷書では、漢字を練習しました。

草書は、通っていた書道教室で習い、崩し方には、ある程度の決まりがあって、まずそれを身につけて、その後に、自分なりの書き方を創造していくというものでした。

学校では、漢字は楷書で書くので、「令」の文字は、楷書体の字体が適用されるのが自然と考えて良いかと思います。

毛筆の前の時代は、篆刻(石に彫る)などの技法が使われていました。

それに伴って、字体も今とは少し違っています。

次の資料を見ていただくとわかるのですが、「令」の文字についても、時代や場所によって、字体(字形)が少しづつ違います。

画像引用:大辞林第三版特別ページ 六書と書体の変遷表より

現在、「令」の最後に書く5画目の書き方として、トメ、ハライ、テンの三つの書き方があるようです。

年月の経過とともに、さまざまな字体(字形)が生まれては消えていきました。

そして、使い勝手の良い字形が、現代に至るまで生き残り、使われ続けたということです。

おわりに

この記事では、「令」の文字を書く際の、正しい字体と書き方、フォント(書体)の使い方と表記のコツを解説しました。

今回のポイントとしては、

  • 現存する二つの字体(字形)は、どちらを使ってもOK
  • 5画目を書くときは、トメ、ハライ、テンのどれを使用してもOK
  • パソコンでは、フォント(書体)によって字体(字形)が決まる
  • 使いたい字体(字形)に合わせてフォント(書体)を決める方法もある

ということです。

この記事が、令和を書く際の参考になれば嬉しいです。

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