【2019.7.6追記】世界遺産に正式決定!
こんにちは!タンゴです。
世界最大級の天皇陵があることで知られる百舌鳥・古市古墳群が、日本時間7月6日午後アゼルバイジャンで開かれている世界遺産委員会で、世界遺産に登録されました!
天皇や皇族が葬られた「陵墓」が、世界遺産に登録されるのは初めてであることから、話題になっていますね。
この記事では、
- 百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に選ばれた理由
- 世界遺産に選ばれた仁徳天皇陵・応神天皇陵以外の天皇陵
- 仁徳天皇陵・応神天皇陵の行き方や見学時間
についてまとめました。
百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に選ばれた理由
国連教育科学文化機関(UNESCO)の諮問機関が、仁徳天皇陵・応神天皇陵を含む百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群を世界遺産に登録することを勧告したという発表があったのは、5月14日です。
そして、いよいよ、6月30日から7月10日、アゼルバイジャンのバクーで開かれる世界遺産委員会で正式決定となります。
日本時間7月6日の午後世界遺産に正式決定しました。
世界遺産に指定されるには、「顕著な普遍的価値」があること。
そして、「真実性」と「完全性」が証明され、適切な保護管理体制が取られていることなどの条件があります。
顕著な普遍的価値の評価基準については、「世界遺産条約履行のための作業指針」の中の10の登録基準のうち、1つ以上を満たす必要があります。
百舌鳥・古市古墳群は、次の2点の登録基準が適用されました。
(iii)現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくとも希有な存在)である。
(iv) 歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である。
引用:世界遺産条約履行のための作業指針より抜粋
昨年、9月に行われた、ICOMOS(イコモス)による現地発掘調査で、これらが証明され、世界遺産登録へと、駒を進めることになったわけですね。
世界遺産に選ばれた仁徳天皇陵・応神天皇陵以外の天皇陵
では、世界遺産に選ばれた百舌鳥・古市古墳群とは、どのようなものか確認しておきましょう。
大阪府南部の堺市、羽曳野市、藤井寺市の3市にまたがる4世紀後半から5世紀後半の古墳群です。
百舌鳥エリアと、古市エリアの大きく二つのエリアにわかれており、両エリアにある合計45件49基の古墳が世界遺産として登録されます。
天皇陵の名称
天皇陵とされる古墳の名前は、地域に伝わる古い地名をもとに研究者が名付ける「遺跡名」と、埋葬者とされる人物をもとに宮内庁が名付ける「陵墓名」の二つがあります。
仁徳天皇陵の場合は、
- 陵墓名:仁徳天皇陵(にんとくてんのうりょう)
- 遺跡名:大仙陵古墳(だいせんりょうこふん)/大山古墳(だいせんこふん)
となります。
陵墓とは、皇室の方々の墳墓の総称で、「陵(みささぎ)」と「墓」の二つに分けられます。
戦後の皇室典範によって次のような定義付けがされています。
- 陵:天皇・皇后・皇太后・太皇太后の墳墓
- 墓:それ以外の皇族を葬る墳墓
仁徳天皇陵の御陵名は、百舌鳥耳原中陵(もずのみみはらのなかのみささぎ)です。
御陵は、山陵(さんりょう)、陵(りょう、みささぎ)とも言います。
宮内庁の天皇陵のHPでは、天皇陵は、天皇名+御陵名で表記されています。
そして、今回、世界遺産に登録される天皇陵は、次の通りです。
- 第14代
仲哀天皇陵惠我長野西陵(ちゅうあいてんのうえがのながののにしのみささぎ) - 第15代
応神天皇惠我藻伏崗陵(おうじんてんのうえがのもふしのおかのみささぎ) - 第16代
仁徳天皇百舌鳥耳原中陵(にんとくてんのうもずのみみはらのなかのみささぎ) - 第17代
履中天皇百舌鳥耳原南陵(りちゅうてんのうもずのみみはらのみなみのみささぎ) - 第18代
反正天皇百舌鳥耳原北陵(はんぜいてんのうもずのみみはらのきたのみささぎ) - 第19代
允恭天皇陵惠我長野北陵(いんぎょうてんのうえがのながののきたのみささぎ)
それぞれのエリアにある古墳について見てみましょう。
仁徳天皇陵古墳のある百舌鳥エリアの場所とそこにある古墳一覧
百舌鳥エリアは、堺市に位置しており、21件23基の古墳があります。
日本最大の古墳である仁徳天皇陵を含む、3つの天皇陵が含まれています。
- 反正天皇陵古墳 反正天皇百舌鳥耳原北陵
- 仁徳天皇陵古墳 仁徳天皇百舌鳥耳原中陵(日本最大の古墳!)
- 茶山古墳
- 大安寺山古墳
- 永山古墳
- 源右衛門山古墳
- 塚廻古墳
- 収塚古墳
- 孫太夫山古墳
- 竜佐山古墳
- 銅亀山古墳
- 菰山塚古墳
- 丸保山古墳
- 長塚古墳
- 旗塚古墳
- 銭塚古墳
- 履中天皇陵古墳 履中天皇百舌鳥耳原南陵
- 寺山 南山古墳
- 七観音古墳
- いたすけ古墳
- 善右ヱ門山古墳
- 御廟山古墳
- ニサンザイ古墳
応神天皇陵古墳のある古市エリアの場所とそこにある古墳一覧
古市エリアは、羽曳野市・藤井寺市にまたがり、24件26基の古墳があります。
日本第二位の大きさを誇る応神天皇陵を含む、3つの天皇陵が含まれています。
- 津堂城山古墳
- 仲哀天皇陵古墳 仲哀天皇陵惠我長野西陵
- 鉢塚古墳
- 允恭天皇陵古墳 允恭天皇陵惠我長野北陵
- 仲姫命陵古墳
- 鍋塚古墳
- 助太山古墳
- 中山塚古墳
- 八島塚古墳
- 古室山古墳
- 大鳥塚古墳
- 応神天皇陵古墳 応神天皇惠我藻伏崗陵(日本第二位の大きさ!)
- 誉田丸山古墳
- 二ツ塚古墳
- 東馬塚古墳
- 栗塚古墳
- 東山古墳
- はざみ山古墳
- 墓山古墳
- 野中古墳
- 向墓山古墳
- 西馬塚古墳
- 浄元寺山古墳
- 青山古墳
- 峯ケ塚古墳
- 白鳥陵古墳
仁徳天皇陵・応神天皇陵の行き方や見学時間
世界遺産登録をきっかけに、観光客も一気に増えそうですが、これだけたくさんの古墳を一つ一つ回るのは大変ですね。
まず行きたいのは、仁徳天皇陵と応神天皇陵です。
この二つを中心にして、各エリアをまわると良いでしょう。
エリア全体のウォーキングガイドやアクセスなどをまとめたページがありましたので、ぜひご覧ください。
仁徳天皇陵の行き方と見学時間
仁徳天皇陵があるのは、百舌鳥エリアです。
仁徳天皇陵
御陵名:百舌鳥耳原中陵(もずのみみはらのなかのみささぎ)
被葬者:第16代 仁徳天皇
陵形:前方後円
所在地:堺市堺区大仙町
最寄駅はJR阪和線の百舌鳥駅より西へ500mほどで、拝所に着きます。
周囲を歩いて見学するので、24時間見学可能!
とはいえ、明るい時間帯に見に行きましょう。
周囲を歩く場合の所要時間は、1時間半から3時間程度です。
周辺にも、小さな古墳があるので、のんびり散策すると、心が洗われそうです。
しかし、残念なのは、大きすぎて全体が見られないこと!
そこで、全体を見る方法を探したところ、次のような方法がありました。
【方法1】堺市役所展望台から見る
堺市役所の21階にある展望台で、360度窓になっているので、周囲の様子が良く見えます。
でも、もう少し、展望台が高いと良いですね。
境市役所からの仁徳天皇陵
ここからでも形分からん(笑)
やはりセスナで飛ぶしかないね pic.twitter.com/gac3sLNZZY— さすらいスキーヤー (@kitajima_t) 2016年9月4日
所在地:堺市堺区南瓦町3-1
アクセス:南海高野線「堺東駅」下車徒歩約5分
料金:無料
営業時間:9:00~21:00(年中無休)
駐車場:あり(有料)
【方法2】「みくにん広場」から見る
南海高野線三国ヶ丘駅の屋上公園「みくにん広場」の眺望デッキからは、間近に迫った仁徳天皇陵を見ることができます。
【三国ヶ丘駅◇天牛堺書店さん◆ミニフルコトコーナー登場!】天牛堺書店のある南海三国ヶ丘駅には『みくにん広場』という仁徳天皇陵古墳ビューな展望台があるんですよ〜( ´ ▽ ` )ノ
『1度行きたいと思ってるんだよね』なんて方はぜひぜひ! pic.twitter.com/TasjauSEnR— 旅とくらしの玉手箱◇フルコト (@furukoto) 2015年4月27日
アクセス:南海高野線三国ヶ丘駅/屋上
【方法3】セスナ機の遊覧飛行で上空から見る
古墳をしっかり味わうなら、これはなかなか良さそうですね!
コースは、いくつか用意されているようで、周辺の観光地を巡るのも楽しそうです。
地元、八尾市の八尾空港からセスナにのり、仁徳天皇陵や八尾の古墳を見る旅に pic.twitter.com/6dZJMJOoPM
— ちほ (@firenze0421) 2015年12月19日
堺コース(18分):仁徳天皇陵~PLの塔
料金:8,400円(大人)/5,900円(小人)
受付:事前予約不可(当日受付のみ)
お問い合わせ電話番号:072-991-7245
搭乗場所:大阪府八尾市空港2-12 八尾空港内
アクセス(電車):地下鉄谷町線「八尾南駅」下車2番出口より東へ徒歩約12分
アクセス(車):阪神高速14号松原線「大堀」出口より5分/近畿自動車道「八尾」出口より15分(専用駐車場あり)
応神天皇陵の行き方と見学時間
応神天皇陵は、古市エリアにあります。
応神天皇陵
御陵名:惠我藻伏崗陵(えがのもふしのおかのみささぎ)
被葬者:第15代 応神天皇
陵形:前方後円
所在地:大阪府羽曳野市誉田3・5・6丁目
近鉄南大阪線土師ノ里駅より徒歩20分ほどで、拝所に着きます。
全体を見るには、参道からが視界が開けて、大きさを感じることができます。
土師ノ里駅から歩くと、住宅街を縫うように古墳が連なっている脇を通ります。
古墳全体を楽しむことは難しいですが、現代の日常生活と、時空を超えた古墳群の共存が、異次元を感じさせます。
応神天皇陵に行ったら、ぜひ記念に御陵印をもらいに行きましょう。
御陵印は、神社やお寺でもらう御朱印のようなもので、各天皇陵が持っています。
しかし、この御陵印は、各天皇陵に置いてあるわけではないのです。
全国に5箇所ある陵墓監区事務所で、すべての御陵印を管理しているため、管理事務所に行かないともらうことができないのです。
百舌鳥・古市古墳群にある天皇陵の御陵印は、すべて古市陵墓監区事務所で管理しており、古市陵墓監区事務所は、惠我藻伏崗陵内にあり応神天皇陵のすぐ隣ですので、ぜひ、立ち寄って欲しいスポットです。
おわりに
この記事では、世界遺産に選ばれた百舌鳥・古市古墳群と見学について、次のことがわかりました。
- 仁徳天皇陵は百舌鳥エリア、応神天皇陵は古市エリアに位置する、日本で最大の天皇陵
- 見学方法は、周囲を散策、近隣の展望台、公園、航空遊覧など
- 応神天皇陵隣にある古市陵墓監区事務所で御陵印をもらうことができる
この記事が、令和初の世界遺産を楽しむきっかけになれば嬉しいです。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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