こんにちは!タンゴです。
ノーベル賞の発表のシーズンとなり、今年も、日本人候補者が話題になっています。
特に、医学・生理学賞と化学賞は、株式市場に大きく影響も与え、多くの人から注目されています。
昨年、ノーベル賞・医学・生理学賞を受賞した本庶佑氏の受賞に続き、今年、注目されているのが京都大学の森和俊教授です。
すでに、ノーベル賞の登竜門とされる米ラスカー賞やカナダのガードナー国際賞などの受賞経験もあり、国際的にも評価されています。
【2019.10.5追記】
2019年ノーベル賞・医学・生理学賞は、細胞と酵素研究の英・米の教授3人が受賞しました。
- グレッグ・セメンザ教授(ホプキンス大学)
- ピーター・ラトクリフ教授(オックスフォード大学)
- ウイリアム・ケーリン教授(ハーバード大学)
この記事では、
- 森和俊(ノーベル賞・医学・生理学賞)のwiki経歴
- 森和俊(ノーベル賞・医学・生理学賞)の研究内容
- 森和俊(ノーベル賞・医学・生理学賞)の家族や趣味
についてまとめました。
森和俊教授の研究が、なぜノーベル賞・医学・生理学賞の候補になったかが気になっている人の参考になれば嬉しいです。
森和俊(ノーベル賞・医学・生理学賞)のwiki経歴
森和俊氏は、2015年にもノーベル賞・医学・生理学賞の有力候補者に選ばれています。
難病を治療し、人間の寿命を延ばすことを目的とした研究に贈られるブレイクスルー賞を受賞した時の写真です。
氏名:森和俊(もり・かずとし)
生年月日:1958年7月7日
出生地:岡山県倉敷市
血液型:O型
中学:倉敷市立味野中学校
高校:岡山県立倉敷青陵高等学校
大学:京都大学
特技:剣道
趣味:ガーデニング
研究テーマ:UPR
両親は、農業に従事されていて、実家は、どちらかというと貧しかったようですす。
「両親が一生懸命に働いて、26歳まで学校で勉強させてもらった」と森和俊氏自身が感謝を語っています。
森和俊(ノーベル賞・医学・生理学賞)の研究内容
研究者をめざすきっかけから研究テーマにたどり着くまで
森和俊氏は、小学生の頃に読んだ戦争マンガの影響で、科学者・研究者・博士を目指します。
中学時代に新聞でクオークの存在を知り、素粒子物理学に興味を持ちます。
そして、湯川秀樹博士(1949年ノーベル賞)や朝永博士(1965年ノーベル賞)にあこがれて京大理学部を目指します。
大学入学以降の略歴は次のようになります。
- 1977年 京都大学工学部合成化学科入学
- 1978年 京都大学薬学部製薬化学科へ転学部
- 1981年 京都大学薬学部製薬化学科卒業
- 1983年 京都大学大学院薬学研究科修士課程修了
- 1985年 京都大学大学院薬学研究科博士課程中途退学
- 1985年 岐阜薬科大学助手
- 1987年 京都大学薬学博士
- 1989年 米国テキサス大学博士研究員
- 1993年 HSP研究所主任研究員
- 1999年 京都大学大学院生命科学研究科助教授
- 2003年 京都大学大学院理学研究科教授(生物科学専攻、生物物理学教室)
理学部受験は厳しく、工学部合成化学科に入学しますが、新聞で利根川進博士(1987年ノーベル賞)の記事を読み、分子生物学に衝撃を受けます。
2回生で薬学部製薬化学科に転入部し、生化学を学び、創造以上の面白さに研究に没頭します。
薬学部卒業後に、同大学の大学院に進みます。
岐阜薬科大学教授になった林先生からの誘いで、京大大学院を中退し、岐阜薬科大学助手になることを決めます。
当時、研究は思うように進まず、研究がうまくいかない理由を見極めるため、辞職をして渡米し、テキサス大学へ。
そこで、現在の研究テーマであるUPR(Unfolded Protein Response)に出合います。
森和俊氏は、自身の興味に素直にまっすぐ向かっていく方のようですね。
それに対する、実行力や決断力もまっすぐ!
その結果、ついに一生涯のテーマと直感するUPRにたどり着いたようです。
一生涯の研究テーマと直感したUPRと森和俊教授の研究内容
UPRとは、「小胞体ストレス応答」と呼ばれています。
小胞体は、リボゾームでつくられたタンパク質をゴルジ体まで輸送する器官です。
森和俊教授は、「その小胞体の中で何が起こっているのか?」ということを詳しく調べてました。
細胞の正常な生理機能を妨げる「小胞体ストレス」に対し、細胞にはその障害を回避し、恒常性を維持する仕組みが備わっています。
このストレスに対する恒常性を維持するための細胞の反応を「小胞体ストレス応答」と言います。
森和俊教授は、小胞体の中で異常なタンパク質がつくられた時に、センサーのようにそれを見つける役割をする分子があることを発見しました。
さらに、このセンサーのような分子の働きや、働きの仕組みや意義などを解明し、明らかにしました。
今年のノーベル生理・医学賞最有力候補、京都大学の森和俊教授の本を読んでみました。
「細胞内の小胞体で作られた不良品のタンパク質がどのように感知され、処理されるかを明らかにした、小胞体ストレス応答の解明の研究」をされた方です。 pic.twitter.com/65pMWIqBrp— 侍・kitten (@joshua726) October 5, 2019
ノーベル賞・医学・生理学賞候補として注目される研究の成果とは
ノーベル賞・医学・生理学賞が対象とする研究分野は、細胞生物学や、脳・神経、発生学など幅広く、欧米にも多くの候補者いて、有力候補にあがっています。
森和俊教授の研究の成果は、ガンや糖尿病を始め、非常に幅広い病気への応用が期待されています。
森和俊教授は、これまでにも、この研究を通して次のように多くの賞を受賞されています。
- 1997年 生化学会奨励賞
- 2005年 ワイリー賞
- 2006年 生化学会柿内賞
- 2008年 大阪科学賞
- 2009年 ガードナー国際賞
- 2011年 上原賞(上原記念生命科学財団)
- 2013年 朝日賞
- 2014年 ショウ賞生命科学および医学部門/アルバート・ラスカー基礎医学研究賞
- 2015年 トムソン・ロイター引用栄誉賞 「小胞体内の変性タンパク質の検出と修復によるメカニズムを独自に発見」
- 2016年 日本学士院賞・恩賜賞
- 2018年 生命科学ブレイクスルー賞/安藤百福賞大賞
これだけの受賞歴をみるだけでも、すごい研究に違いないことがわかりますが、これは、研究の成果の応用範囲が広いため、とても期待されているということでもあります。
たとえば、
- 小胞体ストレス応答を制御する事で、がん細胞の増殖を抑制することができる
(小胞体ストレスを使ってがん細胞が増殖すると考えられる) - 糖尿病や動脈硬化、それにパーキンソン病などの病気予防や治療薬の開発
(小胞体ストレスと神経疾患などの病気との関連性が明確になり予防や治療の研究が進む) - 創薬などの病気に対する対応だけでなく、食や健康寿命を延ばすという予防医学にも応用
のような、医療や製薬領域での応用が期待されています。
さらに、多孔性配位高分子(PCP:Porous Coordination Polymer)とか、有機金属構造体(MOF:Metal Organic Framework)呼ばれる、人工的に合成された多孔質材料の応用も期待されています。
森和俊(ノーベル賞・医学・生理学賞)の家族や趣味
ここまで、述べてきたように素晴らしい研究成果で注目をあびる森和俊教授ですが、プライベートも紹介します。
森和俊教授の家族は、妻とお子さんが3人です。
1988年に結婚しましたが、その翌年、夫婦で渡米します。
一番上のお子さんは、息子さん、2番目は娘さんですが、3番目のお子さんの情報は見つかりませんでした。
趣味は剣道とガーデニングです。
1998年に剣道5段を取得。
その後、しばらく、遠ざかっていたようですが、2002年に息子さんの小学校入学を機会に再開したとのことです。
地元の小学校で、週1回、剣道の初心者グループをボランティアとして指導したり、右京署で活動する「太秦少年柔剣道愛好会」の部長としても活動しています。
ガーデニングは、真ん中の娘さんの誕生を機に買った、古家の一隅を芝生にし、花壇に草花を植えて、毎朝、手入れをしているということです。
おわりに
この記事では、ノーベル賞・医学・生理学賞候補者の一人、森和俊教授の経歴と研究成果やプライベートについてまとめました。
2019年ノーベル賞・医学・生理学賞は、10月7日(月)日本時間18時30分頃発表される見込みです。
森和俊教授は、研究テーマ「小胞体ストレス応答」の解明で、病気の治療、食の分野や予防医学だけでなく、未来の材料などにも応用できる研究成果をあげています。
それだけでなく、プライベートも、家族や地元との交流も持ち、充実しているようです。
小学校時代に見つけた夢に向かって、まっすぐに進んだ結果が、大きく評価され、これからも益々社会に貢献されることを期待したいですね。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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